近頃よく『日本の教育が世界に遅れをとっている』と耳にします。
一体これは何が原因なのでしょうか。
この記事では高校教員や大学病院の先生の意見をもとに日本の教育が世界に遅れをとる原因を解明していきます。
有識者の案は見当違いではないか
専門家や有識者の多くはこの原因としてアクティブ・ラーニング不足、検定を取得をする学生の少なさ、留学生の少なさを挙げています。
では、本当にこれらは原因であり、彼らの挙げる対策には期待できるだけの価値があるのでしょうか?
私は全くの見当違いだと思っています。
なぜなら、これらの主張は全ての解決策を学生や教育の現場に丸投げしているからです。
現段階でも勉強や部活、受験の準備で忙しい学生に「アクティブ・ラーニングをしろ」「英検、漢検を取得しろ」などと言っても実現は困難です。
無理に実現を図ったところで、その方針に則り学問に励む学生とそうでない学生の2極化、検定料による更なる貧困の格差など挙げられる問題は山ほどあります。
また、学生以上に手一杯の教育現場には更なる要求を取り入れるだけの余裕はありません。
実際に高校の先生からは「学校からの指示により、アクティブ・ラーニングを取り入れる努力をしているものの、定着することはなく生徒が自発的に意見を発することはあまりない」との意見を頂きました。
「それ以上にアクティブ・ラーニングのために割く時間が致命的」といった意見もありました。
実際に私も高校でアクティブ・ラーニングを経験したことがありますが、「無駄だ」と強く感じたのを覚えています。アクティブ・ラーニングをすると言っても内容が具体的でないため、中途半端なのです。これでは定着するわけがありません。
実現困難な案を示し、解決の糸口と決めつける行為は問題の先延ばしと同じことではないでしょうか。
これからの教育に必要なもの
では、これからの教育に必要なものは何でしょう?
それは、幅広い分野の教育です。
日本の教育システムでは高校生で文理選択があります。
その選択は大学でも適用されるうえ、大学では更なる細分化をされ、そのまま職に繋がるものです。
これこそが間違えではないでしょうか。
海外の教育システムが優れた国では、学生の多くが学問の垣根を越えた広範囲に渡る学問に取り組んでいます。
海外と日本の学生の違い
この教育システムの違いによって生み出される効果の一例として、医療技術の研究が挙げられます。
実は、日本の先端医療技術の研究は世界に大きく遅れをとっているのです。
医療技術の研究には、医療の知識だけでなく工学系の開発の専門知識も必要になってきます。
海外の教育環境であれば、医療技術の研究、開発に関わりたい学生は医療の知識だけでなく工学系の開発知識も持ち合わせています。
医療と開発両方の専門知識を持った彼らには、必要な知識の繋がりがあるため、学生の研究にも優れたものが多く、卒業後も研究の最先端に携わることができているのです。
では、日本の学生はどうでしょうか。
日本の学生は教育システムの都合上、専門分野が細かく分かれるため、ある1分野を突き詰めている傾向にあります。
そんな学生たちの研究、開発した技術はどうでしょうか。
授業の一環で医療機器の研究、開発に携わっている大学病院の先生にお話を伺う機会がありました。
先生によると「日本の学生の開発は話にならないものばかりだ!」とのことでした。
日本で1番優秀な大学医学部の技術でも、ほとんどが『既に開発された物』であったり『使えない物』とのことでした。
その原因は、開発の知識がないために可能性を知らなかったり、医療知識と開発知識の繋がりがないために実現の可能性を知らなかったりと、どれも必要な知識が欠けていることにありました。
これは医療研究だけの話ではありません。
研究全体でこれを問題視する声が挙がっています。
本当にこれが原因なのか
この記事を読んだ方の中には、「他の専門分野の学生と協力すればいいだろう」といった意見を持つ方がいるかもしれません。
確かにその考えは的を射ています。
しかし、『個々が必要な知識を持った集団』と『それぞれが専門分野の知識のみを持った集団』では現時点でどちらが良い結果を出しているでしょうか?
細分化された学問を突き詰めていくのも大切なことですが、知識の偏りがあっては良い研究はできません。
この現状が続く限り日本の学生のレベルは向上しないでしょう。
最後に
この記事で挙げたのはほんの一例ですが、これほどはっきりした事実があるのに解決方法はアクティブ・ラーニングなのでしょうか?
検定を受けることなのでしょうか?
日本の教育が世界に遅れをとっているのは、まさに日本の教育システムに問題があるからと断言できますね。
さて、これからの教育はどのような方向に向かうのでしょうか。
学生や学校が国に振り回されずにすむ未来が来ることを願います。
興味のある方はこちらを読んでみてください。
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